今回は、白紙勉強法という勉強法について紹介していきます。
この記事を読めば、「わかったつもり」を卒業でき、「わかって正解できる」になるでしょう。
こんな人におすすめ
・間違え直しを効率良く行いたい受験生
・暗記科目を得意にしたい受験生
・資格勉強などで覚えることが多くて苦戦している社会人
今回の記事では、白紙勉強法がなぜ効果的なのか、具体的な実践ステップ、そして最大限に効果を引き出すためのコツまで、徹底的に解説します。
白紙勉強法とは?

白紙勉強法とは、その名の通り、何も書かれていない真っ白な紙(白紙)に、自分が学んだ内容をすべて書き出す勉強法です。
参考書やノートを見ずに、自分の頭の中にある知識だけを頼りにアウトプットします。
「何だそんなこと」と思うかもしれませんが、意外と難しいです。
この勉強法が「わかったつもり」をなくし、記憶の定着に絶大な効果を発揮する主な理由が3つあります。
強制的な「思い出し」で記憶が定着
人間は、情報をインプットするだけではなかなか記憶に残りません。
重要なのは、その情報を「思い出す」という行為です。
白紙勉強法では、強制的に学んだ内容を頭の中から引っ張り出す作業を行います。
これは、脳に「この情報は重要だ」と認識させ、記憶の定着を促す「想起(そうき)練習」という学習効果に基づいています。
参考書を読んだり、先生の解説を聞いたりするだけでは、情報は目の前にあるため、脳は「わかっている」と錯覚しがちです。
しかし、いざ白紙を前にすると、「あれ?なんだっけ?」となる瞬間が必ず訪れます。
この「思い出せない」という経験こそが、自分の理解度を客観的に把握し、曖昧な知識を明確にするきっかけ(機会)になるのです。
知識の構造化で理解が深まる
白紙に書き出す際、ただ羅列するのではなく、関連する知識同士を結びつけたり、図や表にまとめたりと、自分なりに情報を整理しようとします。
この「構造化」のプロセスが、知識の理解度を格段に深めることができます。
例えば、歴史の出来事を年代順に並べたり、化学反応の仕組みを図で示したり、数学の公式を導出過程と共に書き出したりすることで、点と点だった知識が線で繋がり、やがて面として立体的に理解できるようになります。
構造的に理解できるようになると、応用問題にも対応できる「使える知識」になります。
自分の弱点・苦手が明確になる
白紙に書き出せないことが、今の自分の弱点・苦手になります。白紙勉強法でどこからどこまでが書けて、どこからが書けないのかが視覚的に明確になります。
「この単語の意味が曖昧だ」「この公式の導出がうろ覚えだ」「この歴史の流れが途切れている」といった具体的な課題が見つかることで、次に何を復習すべきかが一目瞭然になります。
闇雲に参考書を読み返すのではなく、ピンポイントで効率的な復習ができるようになるため、学習効率が飛躍的に向上します。
今日からできる!白紙勉強法の実践ステップ

ここでは、具体的な実践ステップを解説します。
ステップ1:テーマを決める
まずは、セルフチェックしたいテーマを決めます。
例えば、
・英語:助動詞の用法
・理科:酸とアルカリの中和反応
・社会:江戸幕府の成立と初期の政策
ここでは、範囲を絞った方が良いです。
ステップ2:インプットする(カットしてもOK)
設定したテーマの範囲の教科書や参考書、問題集、ノートなどを読み込みます。
この時、ただ漫然と読むのではなく、「後で白紙に書き出すぞ」という意識を持って、ポイントを頭に入れながら読みと覚えます。
ステップ3:白紙に全て書き出す
ここで白紙の登場です。教科書や参考書、問題集、ノートなどを全て閉じます。(何も見えないように)決めたテーマについて白紙にひたすら思いつく情報を書き出します。
書く形式は、文章、箇条書き、マインドマップ、表、図でも構いません。(理想は文章)
「どうだったっけ?」と思い出せない部分があっても、すぐに答えを見ずに、まずは自分の記憶を絞り出すことに集中してください。
「わかったつもり」を無くすために、曖昧な部分は「?」マークをつけておくと復習がスムーズです。
ステップ4:答え合わせ
書き出しが終わったら、参考書や教科書を開き、答え合わせを行います。
書けていなかった部分、間違っていた部分、曖昧だった部分に赤ペンなどを印をつけます。
このとき、参考書にも印をつけるのも効果ありです。
ステップ5:弱点の復習と再アウトプット
ステップ4で見つかった弱点について、参考書を読み直したり、問題集を解いたりして集中的に復習してください。
可能であれば、その弱点だけを再度白紙に書き出してみると、より定着が促されます。
白紙勉強法を最大限に活かすためのコツ

白紙勉強法の効果を最大限に高めるためのコツを5つ紹介します。
完璧を目指さない
最初から完璧にすべてを書き出せる人はいません。「思い出せない部分があるのは当たり前」と割り切りましょう。
重要なのは、「思い出せない」という事実を認識し、そこを埋めるための行動を起こすことです。
最初は3割しか書けなくても、繰り返すうちに5割、7割と完璧に近づけるイメージです。
制限時間を設ける
「白紙に書き出す時間」は10~20分程度と制限時間を設けるのがおすすめです。時間を意識することで、集中力が高まり、効率的に情報を引き出す練習になります。
また、ダラダラと時間をかけすぎるのを防ぎ、他の学習時間とのバランスも取りやすくなります。
*30分以上は時間をかけすぎです。
関連付けて記憶する意識を持つ
これはやや上級者向けですが、インプットの段階から、「この知識は何と関連しているか?」「どうすれば効率的に思い出せるか?」といったことを意識しながら学習すると、白紙に書き出す際にスムーズになります。
例えば、歴史であれば「原因→出来事→結果」の流れを意識する、英単語であれば語源や派生語を意識するなどがあります。
定期的に繰り返す
一度白紙に書き出せたからといって、その知識が完全に定着したとは限りません。
エビングハウスの忘却曲線にもあるように、人間は時間とともに記憶を忘れていきます。
週に1回、月に1回など、定期的に同じテーマで白紙勉強法を繰り返すことで、長期記憶へと移行させることができます。
アウトプットの形式を工夫する
白紙に書き出す形式は自由です。最終的には文章で説明できるのが理想ですが…
箇条書き
→基本的な情報を整理するのに便利
マインドマップ
→思考を広げ、関連性を視覚的に捉えるのに最適。中心にテーマを置き、枝を広げるように情報を書き出す
図やイラスト
→ 複雑な仕組みや流れを理解するのに役立ちます。特に理系科目や社会科で有効。
表
→比較対象がある場合(例:メリット・デメリット、異なる時代の特徴など)に有効
まずは、自分に合った形式で書き出すことから始めましょう!
まとめ
今回は、白紙勉強法について解説していきました。
読むだけ | 白紙勉強法 | |
学習の中心 | インプット →情報を取り入れる | アウトプット →情報を引き出す |
記憶への影響 | 低い | 非常に高い |
理解度 | 表面的な理解 | 深い理解 |
弱点の発見 | 曖昧 | 明確になる |
学習効率 | 低い | 高い |
時間効率 | 長時間読んでも定着が薄い場合がある | 短時間で深い定着が可能 |
応用力 | 低い | 高い |
集中力 | 低い | 求められる |
主なメリット | ・気軽に始められる ・広い範囲の情報を網羅しやすい ・最初に全体像を掴むのに役立つ | ・記憶の定着が格段に良い ・知識が体系的に整理される ・弱点がピンポイントでわかる ・応用力がつく |
主なデメリット | ・「わかったつもり」で終わる可能性が高い ・記憶に残りづらい ・弱点克服に繋がりにくい | ・最初は時間がかかり、書けないこ とにストレスを感じる ・集中力が必要 |
ぜひ、今日から実践してみましょう!
今回は以上。
最後まで読んでくれてありがとう!