今回は、目標設定や進捗確認の際によく使われる「%」について、実は危険を伴っていることを述べていきます。
実は危険な%
契約率や利益率、正答率、達成率など〇〇率という数値を表す際に%が使われます。
ただし、使い方や見方には注意が必要な危険な表し方でもあります。
何が危険なのか、具体例を挙げながら説明していきます。
成約率が70%のAさんと、成約率が50%のBさんがいるとします。
どちらの方がすごいと思いますか?
多くの人がAさんを選ぶと思います。
ただし、この数値には落とし穴があるのです。
ここで、情報を追加します。
Aさんは10件中7件の成約を取っているのに対し、
Bさんは30件中15件の成約を取っています。
成約内容が同じ場合、より多くの数の成約を取っている方が優秀になります。
いくら成約率では勝っていても、7件と15件では、2倍以上の差があるため、圧倒的にBさんの方が結果を出しているた言えるでしょう。
「%」は必ず母数を確認
成約率のような「%」で表されるもので見るべきポイントは母数です。
先ほどの成約率で言うと、Aさんの10とBさんの30が母数になります。
このように、「%」を見るときは必ず母数を見る癖をつけるべきです。
「%」は良くも悪くも便利
「%」は良くも悪くも、誤解を多く与えてしまう概念です。
例えば、、、
「事業の利益が前年度1000%で伸びています!」
→ただし、昨年の利益は10万円で、今年は100万円前後の見込み
「うちの学習塾は、合格率95%以上です!」
→ただし、1人が複数校に合格している分もカウント
「うちの塾の講師の50%が現役東大生です!」
→ただし、4人のうちの2人
などなど、、、
計算の仕方によって印象を操作することができます。
逆に、良い印象操作をしたいときにも「%」は便利です。
もちろん、会社が売上に対してどのぐらい経費を使って営業利益を出しているかを確認する利益率など「%」で見た方が良い場合もあります。
目標を「%」で掲げるリスク
例えば、営業部署で、「今月は、成約率50%を目指す」というような目標を掲げたとします。
どんなことが起こりうるか?
仮に、10件中5件成約が取れている場合、次の11件目に臨む障壁になるかもしれません。
なぜなら「次、成約できなければ、11÷5で50%を切ってしまう…」という思考に陥いる可能性があるからです。
つまり、チャレンジという行動にブレーキをかけてしまいます。
「%」は質である
ここまでの内容を整理すると、「%」というのは、ズバリ質と言えるでしょう。それに対し、母数が量になります。この母数は行動量と言い表すこともできるでしょう。
質:成約率、合格率、正答率など
量:商談数、受験数、正解数など
まとめ
今回は、「%」について述べてきました。
%を見るときは必ず母数を見る癖をつけてください。
今回は以上です。
最後まで読んでくれてありがとう!